世界王者撃破の金星、されどチームは5位発進——名古屋NTPOJA「SFL JAPAN 2026」Division F第1節を振り返る
「ストリートファイターリーグ: JAPAN 2026」(以下、SFL JAPAN 2026)が8月25日に開幕してから、はや1週間以上が経過した。「名古屋を元気に」を理念に掲げるプロスポーツクラブ・名古屋NTPOJAは、Seiya選手、らおやむ選手、大谷選手、もっちー選手による"ALL名古屋"体制で今シーズンの戦いに挑んでいる。所属するDivision Fの第1節(8月28日開催)を終えた時点での結果は、内容と結果が対照的な一日となった。個人としては新加入のらおやむ選手が世界王者格の選手を撃破する金星を挙げた一方、チームとしては初戦を落とし、5位発進という厳しい滑り出しとなっている。今回は第1節の内容を振り返りながら、名古屋NTPOJAが今シーズンを戦っていく上での現在地を整理してみたい。
SFL JAPAN 2026とDivision制のおさらい
まず簡単に大会形式について触れておきたい。SFL JAPAN 2026は『ストリートファイター6』のプロチームによる国内最高峰のリーグ戦で、出場チームは「Division S」と「Division F」の2グループに分けられ、それぞれ総当たり形式で対戦を重ねていく。名古屋NTPOJAが所属するDivision Fには、REJECT、Good 8 Squad、RIDDLE ORDER、DetonatioN FocusMe、VARRELといった強豪が名を連ねており、決して楽なグループではない。各節のチームマッチでは複数選手による個人戦の積み重ねでポイントが決まる仕組みになっており、シーズン開始前の対抗戦の時点から早くも新キャラクターを使った意外性のある戦術が話題になるなど、開幕前から注目度の高いグループとなっていた。
らおやむが見せた"格の違わない"一撃
Division F第1節、名古屋NTPOJA(NOJ)はGood 8 Squad(G8S)とのチームマッチで対戦した。このカードのハイライトとなったのが、チームマッチ2に登場したらおやむ選手の一戦だ。ベガを使用するらおやむ選手は、対するさはら選手——直近のCAPCOM CUPを制した現世界王者格の選手——との対戦を、2-1のスコアで制している。
らおやむ選手は今シーズンから新加入したばかりの選手で、加入発表時にはチームメイトのSeiya選手が「やんちゃ系なのかと思った」と印象を語るなど、まだファンにとっても素顔の見えにくい部分がある選手だった。その新戦力が、開幕早々に結果でチームへの期待に応えた格好だ。事前の戦力比較だけで見ればさはら選手側が優位と見られていたはずのカードだったが、らおやむ選手は間合い管理を丁寧に行い、相手に的を絞らせない立ち回りで大金星をもぎ取った。個人的には、こうした「格上を食う」一勝こそがリーグ戦の醍醐味だと思っている。長丁場のシーズンを通じて、こうした一勝の積み重ねがチームの地力になっていくはずだ。
しかしチームとしては初戦を落とす
もっとも、チームマッチ全体で見ると明るい話ばかりではなかった。らおやむ選手の勝利以外の対戦で星を落とす場面があり、結果としてチームマッチ自体はGood 8 Squadが制する形となった。この結果、獲得ポイントはGood 8 Squadが30ポイントを得たのに対し、名古屋NTPOJAは10ポイントにとどまっている。個人での金星がそのままチームの勝利に直結しなかった点は、今後の課題として素直に受け止める必要があるだろう。
Division F順位表が示す混戦の構図
第1節を終えた時点(本記事執筆時点で確認できる情報)でのDivision F順位表は次のとおりだ。
順位 | チーム | ポイント | ラウンド |
1位 | REJECT | 30 | +8 |
2位 | Good 8 Squad | 30 | +5 |
3位 | RIDDLE ORDER | 30 | +2 |
4位 | DetonatioN FocusMe | 10 | -2 |
5位 | 名古屋NTPOJA | 10 | -5 |
6位 | VARREL | 10 | -8 |
上位3チームが揃って30ポイントを獲得している一方、名古屋NTPOJAを含む下位3チームは10ポイントで並んでいる。特に名古屋NTPOJAはラウンド数がマイナス5と、同じ10ポイント帯の中でも取りこぼしの多さが数字に表れている状況だ。ポイント制の順位付けである以上、今後の対戦で上位チームからポイントを奪えるかどうかが、そのままシーズン全体の立ち位置に直結してくる。まだ全日程を消化したわけではないシーズン序盤とはいえ、油断できない位置につけているのは確かだろう。
巻き返しに向けて必要なこと
名古屋NTPOJAは、Seiya選手、らおやむ選手、大谷選手、もっちー選手という「ALL名古屋」の布陣で、悲願の初優勝を目指して今シーズンに臨んでいる。前シーズン(2025シーズン)はDivision S規定順位2位、プレイオフ3位という結果を残しており、地力自体は決して低くないチームだ。運営の中心も学生を含む若い世代が担っており、「名古屋を元気に」という理念のもと、地元密着での応援の輪を広げようとしている点も、このチームの見どころのひとつだと感じている。
今回の第1節を踏まえると、らおやむ選手のような個の勝利をチームマッチ全体の勝利につなげていけるかが、今後の巻き返しの鍵になりそうだ。1対1のマッチアップで世界王者格の選手から金星を挙げられる選手層があるのは間違いなくチームの強みであり、あとはその流れをチーム全体で共有し、取りこぼしを減らしていけるかどうかだろう。次節以降、名古屋の地から声援を送るファンとしても、まずは1勝を積み上げる戦いぶりに期待したいところだ。
おわりに
開幕から2週間足らずで一喜一憂するのはまだ早いかもしれないが、長いシーズンの入り口で「個の強さ」と「チームとして勝ちきる力」という、今後の課題がはっきり見えたことは、むしろ収穫と捉えることもできる。名古屋NTPOJAがこの経験を次節以降にどう生かしていくのか、引き続き注目していきたい。
余談だが、今シーズンのDivision Fは開幕前の対抗戦から大激戦区として注目を集めていたグループでもある。強豪ひしめく中での5位という現在地は、決して満足のいく数字ではないはずだが、逆に言えばここからの巻き返し次第でいくらでも順位を入れ替えられる混戦状態が続いているとも言える。次節でどのカードが組まれ、名古屋NTPOJAの誰が先鋒を担うのか、続報が待ち遠しい。SFL JAPAN 2026は今後もシーズンを通じて各節の結果が公式サイトや大会情報まとめサイトで随時更新されていく予定なので、名古屋NTPOJAを応援するファンはもちろん、格闘ゲームシーン全体を追いかけている読者にも、ぜひ今後の節も注視してもらいたい。筆者としても、次節でらおやむ選手をはじめとした「ALL名古屋」の面々がどう巻き返しを図るのか、引き続き追いかけていくつもりだ。
あわせてチェックしたいアイテム
なお、格闘ゲームを自宅でも本格的に楽しみたいという方には、プロシーンでも使われているアーケードスティックの存在も気になるところだ。対戦の駆け引きを自分の手で再現してみたい人には、入力精度にこだわった専用コントローラーがおすすめできる。
また、SFL JAPAN 2026を観戦して『ストリートファイター6』そのものをプレイしてみたくなったという方は、この機会に手に取ってみるのもおすすめだ。オンライン対戦はもちろん、じっくり基礎を学べるモードも充実しており、初心者でも入りやすい作りになっている。


